医療保険とは?

こんにちは、生活設計塾FPオフィス幸せ家族ラボ代表、
家計運用コンサルタントの内田英子です。

ブログお引っ越し後、初めてのブログです。
これからこちらにブログを投稿していきますので、
よろしければどうぞお付き合いください。

みなさんは医療保険には加入されていますか?

病気やケガによって、療養が必要になったときに
保障を受けられる「医療保険」。

節約のために死亡保障を少なめに用意される方も増えてきましたが、
医療保険では不安だから大きめの保障を持っているという方も多いようです。

その名前から内容を想像しやすく、シンプルに思える医療保険ですが、
案外奥が深いことはご存じでしょうか?

万が一のときにしっかりと活かすためには、
正しくその内容を理解しておくことが大切です。

そこで今回は医療保険の基本と医療保険加入時の注意点などについて解説します。

■医療保険とは?

医療保険と一口にいっても、その種類は大きく2つに分けられます。
「公的医療保険」と「民間医療保険」です。
医療保険という言葉はよく聞くものの、両者の違いがよくわからず、
混同してしまうことは珍しくありません。
まずは両者の違いについて、その全体像から見ていきましょう。

・公的医療保険

これは、国が運営する制度で国民全員の加入を義務とし、
「療養のための必要な医療給付を公平に行うことを基礎としている」サービスです。

74歳までは原則、職業などによって加入保険が分けられ、会社員の方が加入する健康保険などの「職域保険」と
自営業者や退職者などが加入する市町村国保などの「地域保険」に大別されます。75歳以降はすべての人が後期高齢者医療制度に加入します。

・民間医療保険

民間の保険会社が提供します。
2001年に民間の医療保険が自由化されて以降、様々な民間医療保険が登場し、
その保障内容は医療技術の進歩やライフスタイルの変化などに応じて日々変化しています。
「公的医療保険」では補えない療養の際に発生する家計の負担を補うために任意で加入するサービスです。

■民間医療保険について

・特徴や保障内容

加入時には現在の健康状態の告知が必要なものが多く、
支払う保険料は保険会社が算出した予定損害率などによって異なります。
現金給付を基本とし、原則受取人本人の請求によって保障を受けることができます。
保障内容は保険会社ごとに異なりますが、
入院給付金や手術給付金を主契約とし、特約を追加して保障を充実させていくものが多いようです。

○入院給付金

病気やケガなど、所定の入院をしたときに支払われる保障です。
たとえば「1入院あたり1日5,000円」など、
契約時に定めた金額を入院日数に応じて支払われるものが一般的です。

ただし、給付金の支払い対象とする入院の日数には制限があり
、1入院につき60日までとする60日型や30日型、180日型、360日、730日、1,095日などがあります。
(通算しての限度日数もあります。)

一度退院して、その翌日から180日を経過して再入院した場合は、一般的に別入院として取り扱われますが、
180日以内の再入院の場合は、保険商品によっては別の病気での入院であっても「1入院」とされるものもあるため、注意が必要です。

○手術給付金

病気やケガの治療を目的として、保険会社が約款に定めた所定の手術を受けた場合に支払われる保障です。
入院給付金日額に所定の倍率をかけて給付金額が決まりますが、
入院中に行った手術と、外来で行った手術で倍率が変わるのが一般的です。

保険による保障が始まる前(責任開始期前)に発生していた病気やケガを原因として責任開始後に行った手術や、
治療を目的としていない手術、約款に書かれてない手術は原則給付の対象外となりますので注意が必要です。

○さまざまな特約の例

  • 女性疾病入院特約:
    女性特有の病気で入院した場合、通常の入院給付金に上乗せして一定の期間内で支払われる保障です。
  • 先進医療特約:
    「先進医療」は厚生労働大臣が定めた高度な医療技術のことで、原則所定の先進医療を受けた場合に技術料に応じて給付金が支払われます。
    先進医療の対象となる医療技術は随時見直されるため、治療時に先進医療に該当しているか注意と確認が必要です。
  • がん診断一時金特約:
    がんと診断された場合に、一時金が支払われる保障です。
  • 放射線治療特約:
    公的医療保険や先進医療など、対象となる所定の放射線治療や電磁波温熱療法を受けたときに支払われる保障です。
  • 死亡給付特約:
    保険期間中に死亡した場合に支払われます。入院給付金日額に所定の倍率をかけた給付金額が支払われますが、金額は少額であることが一般的です。
  • 保険料払込免除特約:
    がんや急性心筋梗塞・脳卒中などで所定の状態になったときや、就業不能状態になったとき、要介護状態になったときなど、
    保険会社の定めた要件に当てはまる場合に以後の保険料の払込が免除されます。
  • 指定代理人請求特約:
    受取人が保険金・給付金等を自ら請求できない特別な事情があるときに、
    あらかじめ指定した所定の代理人が保険金・給付金等を請求することができます。
    特約保険料は不要です。

保険会社によって名称や細かい保障内容が異なります。必ず、個別にご確認ください。

・種類(終身or定期等)
医療保険は保険期間によって2つに大別されます。

○終身医療保険

被保険者が亡くなるまで保障が続く医療保険です。
保険料は途中で契約内容を変更しない限り変わりません。
保険料の支払い方法は以下の2種類ありますが、一般的に「有期払い」の方が保険料は高くなります。

1.「終身払い」:一生涯保険料を払い続ける方法

2.「有期払い」:一定期間または一定年齢まで払い込む方法

○定期医療保険

契約当初に定めた期間を保険期間とする医療保険です。
終身医療保険同様、保険料は変わりません。
ただし、中には更新型もあります。
その場合には健康状態に関わらず更新できますが、通常は更新すると保険料が上がります。

■公的医療保険について

・民間との違い

組合健保や協会健保、市町村国保をはじめとし、多くの制度が存在しますが、
保険料は加入者本人の所得に応じて変動する場合が多いです。
基本的な給付内容は各制度共通で、給付内容に大きな違いはありません。

・仕組み

病気やけがをした場合に、医療そのものを給付する「現物給付」と原則本人からの請求によって治療にかかった費用などを給付する「現金給付」があります。

○本人給付の例

1.療養の給付

医療機関で保険証を提示することで、少ない自己負担で高度な医療サービスを受けることができます。
患者が医療機関で支払う自己負担額は原則一律3割です。
(就学前の児童と70歳以上の高齢者は異なります。)

2.入院時食事療養費

入院した場合、保険証を提示することで、定められた食事代の負担のみで入院中の食事の支給を受けることができます。

3.保険外併用療養費

診療の中に保険適用と認められていない特別な治療法や医療サービスが含まれる場合、
厚生労働大臣の定める「評価療養」と「選定療養」に指定されているものであれば、
保険が適用される部分との差額を負担することで当該治療法などを利用することができます。

4.療養費

旅行中や不慮の事故の際など、保険証を持っていないため全額自己負担で医療費を支払った場合に、
申請し、審査で決定されれば、自己負担分を除いた額の払い戻しを受けることができます。

5.高額療養費

加入者が、医療機関などで治療を受け、1カ月(1日から末日まで)の医療費の自己負担額が、
一定額を超えるときには、申請により超えた金額の払い戻しを受けることができます。
払い戻しの請求には期限があり、原則、診療月の翌月1日から2年間です。

計算の対象となる医療費は、個人ごと、医療機関ごとで計算し、
同じ病院でも入院と外来は別計算、
また、歯科も別計算します。
(※差額ベッド代、保険適用のない治療費、入院中の食事代の自己負担額は支給の対象外です。)
70歳未満の方はその自己負担分が21,000円以上のものが対象となりますので注意が必要です。

【さらに上乗せして負担を軽減する措置】

1.世帯合算

70歳未満で1か月のうちに同じ世帯内に自己負担額21,000円以上支払ったものが2件以上あるときなどに、
合算して一定額を超えた部分を高額療養費として払い戻しを受けることができます。

2.多数回該当

12か月の間に同じ世帯内で4回以上高額療養費に該当した場合に
4回目からは一定の自己負担額を超えた部分を高額療養費として払い戻しを受けることができます。

3.高額介護合算療養費

医療費が高額になった世帯に介護保険の受給者がいて、医療保険と介護保険の両方に自己負担額があるとき、
両方の自己負担額を合算し、年間の限度額を超えた部分の払い戻しを受けることができます。

4.出産育児一時金

被保険者が出産したとき、1児につき42万円が支給されます。
妊娠4か月(85日目)以降における死産、早産、流産、人工妊娠中絶も支給の対象となります。

5.傷病手当金

被保険者が病気やけがのために働けず、給料を受けられないなどの場合に受け取ることができます。
連続した3日間の待期期間を経て、
休業1日につき標準報酬日額の2/3相当が最大1年6か月受け取れます。
国保では任意給付であり、市町村国保では実施している市町村はありませんが、
国民健康保険組合では約7割が実施しています。

※加入保険によって名称が異なります。個別にご確認ください。

・種類(健康保険、国民健康保険等)

公的医療保険は、「職域保険」と「地域保険」の2つに大別されます。
職域保険はさらに協会健保や組合健保などの「健康保険(一般被用者保険)」と、
共済組合や船員保険などの「特定被用者保険」に分かれ、
地域保険は市町村国保と組合国保の2つに分けられます。

 

■直近の医療保険の傾向

民間医療保険の主な保障のひとつは入院給付金ですが、最近の入院日数の短期化を反映し、
入院初日から給付金を受け取れるものが増えてきました。
ただ、「1泊2日以上の入院」や「日帰り入院」など、
支払いの要件は保険会社によって異なりますので注意が必要です。

そして、入院給付金はあらかじめ定めた金額を入院日数に応じて受け取るのが一般的ですが、
入院日数に関わらず所定の要件をみたせば給付金を「一時金」で受け取れるものや
「一時金+日額分」を受け取れるものも増えてきました。

1日の入院でも入院5日までは一律5日分、10日までは一律10日分などと決め給付金を受け取れるものなどもあります。

また、入院しなくとも所定の要件を満たした通院であれば給付金が支払われるものも増えています。
入院前や入院後の一定の期間内に通院した場合に支払われるのが一般的ですが、
給付金額は通院日数に応じて決まるものや、契約時に定めた一定の金額が支払われるものなどがあります。

一方、給付金を受けるためには、被保険者ご自身からの申し出が必要ですが、
これまでは手続きの際に診断書の提出を基本としていました。
ただ、すべての入院で診断書が必要となると、
一般的に診断書の発行には5,000円程度かかるため、
入院期間が短い場合には受け取る入院給付金に対して診断書代が割高となります。

そのため、契約後2年以上や入院日数が30日以下、
入院日から退院日までの医療費領収証やそのコピーを添付するなど、
所定の条件をすべて満たす場合には、診断書の添付を不要とする生命保険会社も増えてきています。

※診断書の添付を不要とする条件は保険会社によって異なりますので、個別にご確認ください。
保険に加入していて、入院・手術した場合には、まずは生命保険会社へ連絡するとよいでしょう。
給付金の請求に必要な書類の案内が届きます。

■医療保険加入時の注意点

現在、共済を含めると民間の医療保険を取り扱う保険会社は30社を越えており、
その多くが、それぞれにいくつかの医療保険を販売しています。
ご紹介したように民間の医療保険では、
保険期間や保険料払込期間、何日目から入院給付金が給付されるか、
やどのような形で給付金が受け取れるかなど、
実にさまざまなタイプが存在します。

まずは、ご自身で契約内容を理解できるか?
いざというときに、ご自身で手続きをできるか?
という視点を土台にし、それぞれの保険商品をよく検討して選ぶことが重要です。

そして、忘れてはいけないことは、すでに公的医療保険に加入しており、
もしものときには公的医療保険からも、さまざまな給付を受けられるということです。
療養を必要とし、収入が減ってしまった場合にも、
会社員の方であれば、要件を満たせば、健康保険から
傷病手当金という所得補償も一定期間受けることができるでしょう。

まずは公的医療保険で受けられる給付を確認し、
もしものときに自己負担額をいくらくらい必要とするのか、
貯蓄からはいくら使えて、
それによる家計への影響はどの程度なのか、
イメージしてみてください。

保険は、みんなの万が一をみんなで助け合う「相互扶助」の仕組みをもつものです。
そしてその給付を受けるためには、当然のことながら保険料の支払いが必要です。
家計のもしもに備えるために加入するのが生命保険ですが、
加入の仕方によっては保険料負担が大きくなり、
貯蓄が思うようにできず、
かえってもしもの家計に備える力を弱めてしまう可能性も考えられます。

保険料の支払いは長く続きます。
加入の際には、そもそも自分にはどのような場合にどのような保障が必要なのかを明確にしてから、
具体的な医療保険の検討に進むことが大切です。

 

■まとめ

少子高齢化が進み、将来の暮らしに不安を感じる方は珍しくありません。
しかし、不安だからといって、不安を解消するために保険に入ったとしても、
根本的な不安が解消されない方も少なくないようです。

まずは、万が一のときに自身がどのように暮らしていけるのかを考え、
足りない保障のイメージを持つことから始めてみてください。
そして、それを基に保険商品を選び、万が一に備えることこそ、
将来の暮らしへの不安を取り除く一助となるはずです。