2020年途中から変わった、「ひとり親控除」

こんにちは、生活設計塾FPオフィス幸せ家族ラボ代表、
家計運用コンサルタントの内田英子です。

こちらは旧ブログ(Amebaブログ)からの再投稿記事です。

みなさんは「ひとり親控除」をご存じでしょうか?

これ、一体何かって?
一言でざっくり言ってしまうと、

ひとりで子供を育てていいるお母さんお父さんが
受けることのできる、所得税額の計算対象となる所得金額を減らしてくれる
という税金の割引サービス(所得控除)なんです。
2020年の税制改正によって、2020年の途中から始まりました。

正式には寡婦(寡夫)控除の1つで、
実は婚姻歴のあるシングルマザー、シングルファザーの方であれば控除額に差はあったものの
これまでにも受けられていた所得控除なんですね。

でも、婚姻歴のない、未婚のひとり親は受けられなかった!

それが2020年の税制改正で、
ひとり親控除として未婚のひとり親も対象となる所得控除として創設されました。

プラス、子供を育てているひとり親の方であれば、
男女を問わず同じ控除額を受けられるように!

ちなみに、所得控除額は、所得税35万円と住民税30万円です。

こどもを育てるひとり親の方であれば、
所得要件(合計所得金額500万円以下)に引っかからないかぎり、
婚姻歴があってもなくても、男性でも女性でも、
同じ所得控除が受けられるように。

ところで、一体どれくらいの税金が安くなると思いますか?

例えば、年収240万円の会社勤めをされている方であれば、
所得税率を5%、住民税率を10%と

仮定した場合、

所得税・住民税を合わせると47500円税金が安くなる計算に!

1年間に5万円弱の税金負担が軽減されるって、結構大きいですよね。

で、なんでこのひとり親控除のことをブログに書いたのかというと、
2020年の税制改正で創設されたルールで、2020年の途中から適用されたものなので、
2019年の年末に出していた扶養控除等申告書では、
未婚のひとり親の方の場合、ひとり親控除を受けることができないからなんです!

会社員の方であれば、2020年の年末調整で還付を受けるのであれば、

年末調整前に自分で手を挙げて、令和2年分扶養控除等申告書を返還してもらって、
ひとり親控除を適用できるように書き直さなくちゃいけなかった。

こんなこと、よっぽど親切な自治体とか総務人事の方がいらっしゃれば教えてくれるかもしれないけど、
知らない方も多いのでは、と思ったのです。

えっ、知ってました?

それなら安心です。

でもね、当てはまるけど、そんなこと知らなくてやってないよ!という方。
ご安心ください。
大丈夫です。今からでも確定申告をすれば、還付を受けることができますよ。

確定申告、ぜひやってみてくださいね。 

そして、もし未婚だからと寡婦(寡夫)控除を受けられないと思い込んでいて、
令和3年分の扶養控除等申告書で「ひとり親」控除欄にチェックを入れずに出してしまっていたら・・・
大事なお金。
もう一度返還してもらって、しっかり申告しておいてくださいね。

ささいなことですが、お力になれたら幸いです。