【住宅ローン金利上昇】今日からのマイホーム戦略

2023.3.7更新

こんにちは。ブレない自分と家計をつくる。
家計の総合医。ファイナンシャルプランナーの内田英子です。

昨年の11月からフラット35の金利が上がり続けています
昨年11月には1.4%台だったフラット35の金利は、今や1.9%超(2023年3月時点)
半年足らずで年0.5%超上昇しています。
金利が上がると、毎月返済する利息額は増えます。
例えば毎月の返済額が5000円上がったり1万円上がったり、あるいは2万円程度上がったりするケースもありますから、
これから住宅購入を考えている人にとってはとても悩ましい問題ですよね。

今後のことを想定すると金利が上がっていくというリスクへの対応は欠かせません。
とはいえ高い利息を負担しては、家計は苦しくなります。
金利が上がる中、これからマイホームを取得したい方はどのようにプランを考えればいいのでしょうか。
住宅ローンの基本から、金利上昇している今、押さえておきたい
これからの対処法について解説します。

1.住宅ローンの基本
2.利息の計算方法
3.金利上昇による住宅ローン返済負担への影響
4.借入金額を抑える効果
5.住宅ローン契約、今押さえるべきポイント
6.まとめ

住宅ローンの基本

まずは住宅ローンの基本についておさらいしていきましょう。
住宅ローンはローン契約のひとつです。
使い途はご自身の住まいの取得・建築に限定されているのが特徴です。
ローンは平たく言えば借入契約です。
借りたものは返さなければいけません。
ですから借入契約を結んだ後は返済期限まで定期的に返済を続けていきます。
一方で借りたお金には賃借料である「利息」がかかります。
そのため、ローン返済の際は、当初借り入れた元金の分割返済とともに利息も支払う必要があります。

利息の計算方法

返済額に加算される利息額はどのように計算されるのでしょうか。
利息額計算の基本式はこちらです。

利息額=元金×年金利

元金は当初借り入れた金額です。
年金利は利息計算のもとになるパーセンテージで、住宅ローン商品によって異なります。
専門的な話をすれば、返済方法によってどの時点の元金をもとにして計算するかという違いはありますが、
金利が高いほど、また借り入れる金額が大きくなるほど、利息額は大きくなります。

金利上昇による住宅ローン返済負担への影響

住宅ローンに適用される金利の違いで返済額にはどれくらいの差が出るのでしょうか。
3,000万円を全期間固定金利、元利均等返済の住宅ローンで借り入れたケースでシミュレーションしてみました。

(図は著者作成。無断転載・コピーは禁じます)

シミュレーションは金利年1.0%、1.5%、2%の3パターン行いました。
返済期間は30年です。
その結果、金利が0.5%上がるごとに、以下の様な差が出てくることがわかりました。

毎月の返済額:月およそ7,000円増
総利息額:およそ250万円増

利息負担は当たり前のようですが、ご自身で負わなければいけません。
前述のとおり借入額を増やせば利息負担は増え毎月の返済額も増えます。
年金利2.0%の場合トータルの利息負担額は1000万円程度です。
最近は住宅資材の価格上昇を受け、新築住宅の価格が上がっています。

その結果、予算は膨らみがちですし、新築建売住宅では敷地面積を狭くして価格を抑えた物件が目立ちます。
こんなお話を聞くと、じゃあどうすればいいの?
と頭を抱えてしまいそうですが対処法はあります。
それは、
頭金をしっかりつくってからのマイホーム取得の基本に立ち返る
ということです。

借入金額を抑える効果

こんなシミュレーションもしてみました。
頑張って頭金を貯めて10年後に借入額を2000万円に抑え、かつ返済期間も10年短縮、20年返済にするとします。
利用する住宅ローンの条件は先ほどと同じ全期間固定金利、元利均等返済の住宅ローンです。

(図は著者作成。無断転載・コピーは禁じます)

まずは毎月返済額から見ていきましょう。
3000万円を30年で返済する場合、金利が年2%となると毎月の返済金額は11万円を超えていましたが、
2000万円20年返済にすると10万円ちょっとです。
金利1%と比較しても1万円程度しか差はありません。
次に、総返済額をみてみましょう。
総返済額は金利2%の場合であっても2400万円程度。
借入金額との差は400万円程度です。
3000万円を30年で借り入れた場合は、金利が1%であっても利息負担額は470万円程度でしたから、
大きく様子が変わったことがわかりますね。
変えたのは住宅ローンの利用の仕方だけです。

住宅ローン契約、今押さえるべきポイント

今金利が上がっていると聞くと、じゃあこれからもっとあがるんじゃないの?
だからやっぱり早めに住宅ローンを組んだ方がいいんじゃないの?
なんて思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、金利が上がるかもしれないのは、今までと同じではないでしょうか。
むしろ日本は金利がなかなか上がらなかったのですから、
金利が上がったところでしばらく一服する、という可能性もありますよね。
金利の動向なんて誰にもわかりません。
一方で、住宅を取得後にかかるお金は確実に複数あります。
例えば固定資産税や火災保険・地震保険料、住宅の修繕費などが挙げられます。
ちなみに、マイホームを取得後は水道光熱費をはじめとする基本的な生活費が増える方も目立ちます。

金利が上がっている今、確かに金利上昇は見逃せませんが、
誰にもわからないことに不安になるよりも、まずは基本に立ち返り、
頭金を増やして借入金額を減らすアクションをはじめてみましょう。
最終的にはみなさん年金生活に入ります。
今よりも生活費は抑えなければいけない方は多いですが、お金の使いかたはなかなか変えられません。
年を重ねればなおさらです。
住宅取得計画を見直すにあたってはライフプランや家計の見直しが必要になることもあるでしょう。
でも、今のうちから家計を見直す経験を積んでいれば肥やしとなり、
きっと未来のご自身の力となることでしょう。

まとめ

住宅ローンといってもお金を借りるということに他なりません。
返済は義務であり、毎月続きます。返済の分、未来の自分が自由に使えるお金を減らしています。
また、万が一の時にも返済は義務ということは変わりませんから、
借入額が大きい場合は働けなくなったり、大黒柱が死亡したりした場合には
家計に急激に大きな負担が発生する可能性もあります。
住宅取得プランを見直すにあたって、もしご自身では手に負えないなと思ったら、お声かけください。
本当に今から購入すべきものなのか、といった点も踏まえつつ、
様々なシミュレーションを実施しています。
(借入金額だけではなく変動金利タイプの活用策についてのアドバイスも可能です。)
無理のない家計管理ノウハウと心を耕す生活設計であなたの未来を応援しています。