【つみたて投資】はじめる前に知っておきたい3つのこと

2022.5.16更新

こんにちは、家計の総合医。
ぐっすり眠れる家計運用コンサルタントの内田英子です。

 

つみたてNISAやiDeCoなど
つみたて投資を始めやすい制度の認知が広がって
つみたて投資を始める方が増えてきました。

低金利の中高騰する株式相場から
一時期SNS等ではつみたて投資を
ノーリスクでお金が簡単に殖える魔法かのように取り扱う方もいました。

しかし、つみたて投資はあくまで資産形成の手段の一つです。

資産形成とは働きながら収入の一部を継続的に積み立てに回していき、
将来必要な資金をまかなう資産を築くことです。

金利の高い時代には貯蓄型の保険や預貯金でも資産形成ができましたが
年金も増えず金利の低い今、
リスクを取った金融商品を早くから活用しておかないと
老後の必要資金を準備し、
またそれらを維持し続けることは難しいのが現状です。

その一方で、リスク性金融商品を活用するにあたってはさまざまな注意点もあります。

 

そこで、今回のブログでは
今となっては聞きにくい、つみたて投資の基本から
つみたて投資を始める前には知っておきたい3つのことについて
家計の総合医の視点で解説していきます。

【 1 】なぜつみたて投資なのか
【 2 】つみたて投資をはじめる前に知っておきたい3つのこと
【 3 】まとめ

【 1 】なぜつみたて投資なのか

老後資金2000万円問題を期に、
一気に注目を集めた「つみたて投資。」
主に株式や債券などで運用する投資信託にお金を定期的に拠出し、
資産形成をしていく方法です。
預貯金と異なり、価格変動等により当初元本を回収できないリスクもあることから、
どうしてあえてリスクのある金融商品でつみたてしなければならないの?
と思われている方もいらっしゃることでしょう。

つみたて投資をする理由を一言で申し上げれば、
それは「将来のため」でしょう。
「将来」とは「年を重ねて働けなくなる老後」を指します。

老後生活においては、日本では一定の年金収入が多くの方に確保されていますが
年金収入はそもそも最低限の生活をまかなうための所得補償
という側面をもっています。
加えて物価上昇へは完全に対応しないしくみになっているため、
年金収入だけで
選べる暮らしを送りたいと願うのであれば
毎月の生活費は収入を上回ることは容易に想像できます。
資産の取り崩しは必ず必要となるでしょう。

必要な金額は人それぞれ、暮らし方によっても異なりますが、
多くの場合、まとまった資金が必要となります。
そのため、老後の選べる暮らしの実現においては
夫婦共働きでしっかりとした収入を得つつも、節約し堅実に貯蓄をつづけ、
老後も堅実にかつ健康に暮らせるような方でないと
預貯金だけでは
必要な資金の用意は危ういのが現状です。

一方つみたて投資はリスクのある金融商品を活用しながらも
合理的に資産を形成できる方法でもあります。
なぜなら定期的に決まった金額を拠出し続けることで買付け単価をならし、
価格変動による元本割れリスクのコントロールが可能となるからです。
(こういった手法をドルコスト平均法といいます。)
かつ資産分散・銘柄分散投資を行う投資信託を購入することで
その他のリスクもコントロールしやすくなり、
比較的安定した資産形成が実現しやすくなるからです。

ただし、リスクをコントロールできると言っても、
短期もしくはスポット的に行っては着実なリターンは必ずしも望めません。
リスクと異なりリターンはコントロールできないものです。
また、だれにも予測できません。
つみたて投資を活用して期待するリターンを着実に確保したいと望まれるのであれば、
20年程度の長期で行う計画や積み立て期間中の定期的なお手当も必要でしょう。

【 2 】つみたて投資をはじめる前に
知っておきたい3つのこと

つみたて投資を実際に行う際は、どういったことに注意すればいいのでしょうか?
ここでは、リターンを得て資産形成を実現するにあたり、
つみたて投資をはじめる前に知っておきたいポイントを3つ挙げ、解説します。

1.つみたて投資に回すお金を区分する。

2.ファンド選び。見るべきはコストだけじゃない。中身も大事。

3.ドルコスト平均法にも弱点がある。

1.つみたて投資に回すお金を区分する。

つみたて投資を活用しても、リターンはコントロールできないこと、
着実にリターンを確保するにあたっては
少なくとも長期でつみたてを行う必要があることは前述しました。

だからこそ、資産形成実現にあたってはつみたて投資に回すお金を区分し、
しっかりと確保していくことが大切です。
おすすめは以下の4つにわけること。

1.万が一の生活資金
2.短期資金
3.中長期資金
4.遊興資金

目先5年以内に必要な資金や「万が一」の生活費は
流動性や安全性を重視した金融商品でしっかりと確保しておきましょう。
その上で10年程度先に必要となる教育費や老後生活資金のつみたてとして
「つみたて投資」を活用していきましょう。

投機やギャンブルはおすすめしませんが、今やさまざまな金融商品があります。

興味があって、仮想通貨やFX,デイトレなどリスクをとること自体を楽しむ目的で
金融商品を購入する場合は遊興資金を使いましょう。
このように区分する理由は、資産形成は収入の一部をつみたてに回す行為であり、
長期で行うことを想定する必要があるからです。
お金の区分をすることなくつみたて投資を行っている場合、
途中支出が増えるなど家計の変化によっては、
つみたてに回せるお金が確保できなくなる可能性も考えられます。

リターンはさまざまなリスクをコントロールした結果受け取れる果実です。
果実を受け取るためには、つみたて投資は継続して行うことが重要なのです。

2.ファンド選び。見るべきはコストだけじゃない。中身も大事。

つみたて投資を象徴するつみたてNISA。
金融庁が指定する長期投資に向くとする要件を満たす投資信託(ファンド)を
ふるいに掛けラインナップしています。
しかし、そんなつみたてNISAも2018年から始まって以来、
対象となる投資信託は増え続け、今や200本超!
(2022.4.26現在。https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/target/index.html )

新しく設定されたものも多く、正直なところ、
よくよく調べてみれば20年のつみたて投資に耐えうるのか疑問がのこるファンドも存在します。
つみたてNISAの対象となる投資信託は追加型といって、
いつでも買付けできる機会が確保されたものですが、
運用期間は特に決められていません。
さらに踏み込んで言えば、買付けた方が希望する運用期間を確約するものではないのです。
だからこそ、長期の資産形成を見込んでファンドを選ぶ際には、
本当に長くお付き合いできるファンドなのか?
コストだけではなくその中身も見極めることが必要になってきます。

3.ドルコスト平均法にも弱点がある。

買付け回数を分散することによってリスクのコントロールが可能になるドルコスト平均法ですが、弱点もあります。

それは買付け単価をならすといっても、
元本割れする可能性を完全に潰すものではないということ。
20年程度の運用期間を見ておけば、より元本割れを避けられる確率をあげることは想定されますが、
実際には低減できないリスクは存在するため心許なさは残ります。
実際には20年も確保できない、といった方も多いでしょう。

だからこそ、つみたて投資を行う際は、完全にほったらかしにしてしまうのではなく、
つみたて期間中必要なお手当をしてあげる必要があります。

具体的に申し上げれば、家計にとって必要なリターンを導き出し、
リターンに見合わないパフォーマンスの年があれば、
運用資産を補填したり減らしたりして、
必要リターンに寄せて行くということです。
つみたて投資を始める前にできるのが理想ですが、始めてからでも遅くはありません。

【 3 】まとめ

つみたて投資の基本から
つみたて投資を始める前には知っておきたい3つのことについて解説しました。

つみたて投資と一口にいっても、選べるファンドは実に様々です。

投資信託という金融商品にはスケールメリットを活かして
効率的な分散投資が実現できるしくみがありますが、
すべての投資信託が必ずスケールメリットを活用できるものでもありません。
また、リターンを予測し、安定した資産形成の目処をたてていくにあたっては
資産配分もポイントになってきますが、
1つのファンドの中で資産分散を行っているものもあれば、
資産分散は行わず銘柄分散のみのものもあります。

ご自身で資産配分を行う場合、
拠出額を一定にしていたとしても基準価格の変動によって資産配分が変わり、
リターン予想が変わる場合もあるでしょう。
ほったらかしでは、家計の状況や解約時期によっては
知らないうちに大きくリターン予想が変わっていて、損をする可能性も拭えないのです。

ファンドのつみたて投資シミュレーションは
あくまでファンドが運用を続け、期待するリターンが実現できた場合のシミュレーションに過ぎません。
つみたて投資だからと
暗に示された安全性のイメージを鵜呑みにしてはキケンです。

大事なことは、積み立て投資を始める前に軸となる
自らの必要な資金額に基づいた
自らの期待リターンを導きだすこと。
そして着実な資産形成を実現する家計設計とお手当です。

資産形成はしっかりと正しい知識を備えていればご自身でも十分可能です。

正しい知識をもって自分でできれば、
生きていくための技術の一つとして子どもに教えることもできるんですよ。

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