【教育費】もやもや解消に効くセルフチェック

2022.11.7更新

こんにちは、
公務員ママがぐっすり眠れる家計の処方箋。
家計の総合医。内田英子です。

 

子育てをしていると、ふとしたときに顔を出す
教育のお金のもやもや。

かわいいこどもを大切に思うからこそ、
希望する道を応援してあげたいとは思いつつも、
やっぱり家計のことが気になります。

(わが家は来年小学校に入学する
末子の入学準備に20万円が飛んでいく予定です。衝撃;;)

教育費は基本的に家計で賄う、というのが現在の日本のセオリーですが
家計で賄わなければいけないお金は
教育費だけではありません。
子どもに関連して必要なお金は
教育費を除いて例を挙げるだけでも
食費やおむつなどの日用品費、医療費、レジャー費や交通費、通信費など、
さまざまあります。

 

わからないことが多すぎると思考停止してしまいますが、
つじつまの合わない家計は
長生きできないのも事実です。

教育費にお金をかけすぎた結果、
今の暮らしも危機に陥り
老後破綻予備群となる可能性すらあります。

そこで、今回のブログでは
まずは教育のお金の正体を知るべく
教育費のきほんから解説し、
教育費のもやもや解消に効果的な家計のセルフチェックについて
家計の総合医の視点でご紹介します。

【 1 】こどもの教育費のきほん
【 2 】教育費が気になるときに。家計のセルフチェック
【 3 】まとめ

【 1 】こどもの教育費のきほん

こどもの教育費とは

基本的な人権の一つである「教育を受ける権利。」
こども一人ひとりに守られるべき
基本的人権の重要な柱となる権利です。
しかし、義務教育を除き、子どもが教育を受けるにあたってはお金が必要になります。
こどもはお金を稼ぐことはできないため、
通常は子どもを育てる親などが費用を負担します。
教育を受けるにあたって必要になるお金のことを教育費、あるいは学習費と言います。

ところで、意外に思われるかもしれませんが、
家計の支出項目のうち教育費が占める割合が高まったのはおよそ40年前、1980年代です。
高度成長期を経て、生活が豊かになるにしたがってサービスへ費やす金額が増え、
教育を重視する人が増えたことが
教育費への支出額が増えた要因として考えられます。

しかし、その後はバブル崩壊。さまざまな企業が破綻していき世帯人数が減る中
実収入は一旦落ち込みます。その一方、家計から教育費についやす割合は横ばいで推移し、
近年の可処分所得に占める割合は若干低下した6%前後で推移しています。

(注)2000 年以前の値は、農林漁家世帯を除くもの。総務省統計局「家計調査年報」
(2 人以上の世帯のうち勤労者世帯、年平均1 か月、全国)各年版より著者作成。

そして過去50年を振り返ってこどもの人数が減っていることと照らし合わせると、
こども一人あたりにかける教育費は上がっていることが推測されます。

[進路別]こどもの教育費の平均額

現在こどもの教育に必要な学習費の平均額はいくらくらいなのでしょうか。

参考:幼稚園・小学校・中学校・高校:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」学校教育費・学校給食費・学校外活動費含む
大学(公立):文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
大学(私立):(独)日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査結果」(昼間部)
表は著者作成。無断転載・コピーを禁じます。

上の表をご覧ください。こちらは参考資料を基に、
幼稚園から大学までに必要な教育費の金額の平均を一覧にしたものです。

まず、公立と私立では必要となる金額に大きな差があることがわかりますね。
例えば中学では公立の平均額は総額147万円なのに対し、
私立では422万円程度。公立の約3倍の金額です。
高校・大学においても、実際には進学先によって差があるものの、
私立は公立の約2倍のお金が必要になることがわかります。

そして、子どもが進学を重ねるにつれ、必要となる学習費が増えていることもわかります。

公立コースでは幼稚園では月約1.9万円だった学習費の平均額は
大学では月5.1万円となり、約2.5倍に増えています。

私立幼稚園のお金が高すぎるなと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は上記の幼稚園で必要になるお金は2019年から始まった保育料無償化の影響を反映していません。
そのため、保育料無償化の影響を考慮してこれからの幼稚園の学費を想定するなら、
公立なら1年あたり約6万円、私立なら約21万円差し引いた以下の金額を参考値とするいいでしょう。

幼稚園(公立) 1年あたり16万円 1月あたり1.3万円
幼稚園(私立) 1年あたり32万円 1月あたり 2.7万円

ちなみに、幼稚園から高校までの金額には、いわゆるおけいこ費用のお金も含まれていますが、
スポット的に必要となる受験費用は含まれていません。
また、こちらに載っている金額はあくまで在学中の学費・学習費であり、
子どもを育てるにあたってはその他にさまざまな生活費が必要になります。

【 2 】教育費が気になるときに。
家計のセルフチェック

教育のお金にもやもやしたら、教育費の負担感をご自身でチェックすることは
今と未来の暮らしを守るためにも大切です。
そこで、ここでは教育費が気になるときにご自身でもできる
家計のチェック方法をご紹介します。

図は著者作成。無断転載・コピーを禁じます。

まずはわが家の現在の教育費のサイズをチェックしていきましょう。
その際は前述した学習費の平均額をものさしとします。
こどもが複数いる場合は、それぞれのこどもの年齢にあわせて平均値を確認し、
合計した金額で比較します。
みんなの出している教育費額と比較して
多い方なのか少ない方なのかチェックしましょう。

次に、同様に学習費の平均額を物差しとして
これからの家計における教育費のサイズもチェックします。
こどもの教育費は大きくなるにつれて増えるため、
これからの負担感の変化のイメージをもつことが大切です。
毎年の貯蓄額からこれからの負担のおおまかなサイズ感が推測できます。

最後に家計を振り返りましょう。
教育費の金額は必ずしも世帯収入が多ければ
平均値よりも高くても問題ない、
というわけでもありません。
なぜなら、前述のとおり、学習費だけではなく、その他の生活費や
その他のライフイベントのお金なども付随して必要となるためです。
加えて、進学先によっては受験費用も含めて
もっと多くの学費が必要にななります。

特に、増えた上記の学習費だけを家計に組み込んだだけなのに
貯蓄ができなくなりそうな場合は要注意です。

家計の見直しや進路の変更も検討する必要があるでしょう。
長い目でみて、世帯収入のアップや現役期間の延長も積極的に検討するなど、
長期的な視点で家計を見た早めの対策が必要です。

【 3 】まとめ

老後破綻予備軍となるのを防ぐ、教育費が気になるときの
家計のセルフチェック方法をご紹介、解説しました。
教育進路の選択肢は今やさまざまです。
スポット的にかかる受験費用や
大学進学後の下宿費用なども見逃せません。

一方でお金には限りがあります。
最近では国からのさまざまな支援策が出されているといっても、
依然として家計からまかなわなければならないお金は多いです。
そして物価上昇を受け、日頃の暮らし必要なお金は
日々増しています。
そのため、子どもを最大限に支援してあげたいと思っても、
教育費にその時の全力を出し切ってしまうと、
今の暮らしやその後につづく親自身の老後生活の破綻まで
招く可能性があります。

お金の使い方は習慣に影響を受けますが、
習慣は考え方に影響を受けます。
今必要だと思っている金額は本当に必要な金額なのでしょうか?
教育のお金にもやもやしたら、
まずは数字をものさしに
わがやの家計を客観的にみるところからはじめてみましょう。
最初はわからなくてもじっくり考えていけば、
きっと今まで見えていなかったなにかが見えてくるはずです。

一般的に教育資金準備に役立つとされる金融商品も、
商品の販売提案においては、
ライフプランに沿ったお勧めはしてくれても
ライフプランの核となるはずの
あなたの家計までは見てくれません。

それゆえにライフプランに基づいて提案、
といっても本当にわが家のライフプランに沿った提案なのか
怪しいケースすら多々見受けられます。

教育のお金にもやもやしたら、お気軽にお声かけください。

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あなたとご家族が一日も長く健やかに安心して暮らせるよう、
応援します。

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