【投資信託】見るべきチェックポイント3選

2023.8.9更新

こんにちは。見つける、ツクル。
家計の総合医。ファイナンシャルプランナーの内田英子です。

このところはマイホーム関連の発信が多く、マイホーム取得時の相談先、
として認識いただくことが増えた当オフィスですが、
実は私自身、個別株式を中心とした投資歴9年の個人投資家でもあります。

実体験から運用のちからを知っていたからこそ、開業前からつみたてNISAについてもいち早く採り上げ、
多くの方のつみたて投資デビューを応援してきました。

投資デビューの際、多くの方が足踏みするポイントの一つに、投資信託(ファンド)選びがあります。

あなたも、つみたてNISAやiDeCoを始めようと思うけど、どの投資信託を選べばいいの?って悩んでいませんか?

つみたてNISAやiDeCoでつみたて投資デビューをする場合、ある程度ラインナップがしぼれているのがメリットですが、
例えばつみたてNISAの対象商品はトータル246本(2023.7.31現在)!
ネット証券を中心にラインナップは多く、
依然として選択肢は多いです。

投資信託は、いわば金融商品のパッケージ商品です。
パッケージされているのは主に株式や債券などですが、
どんな金融商品がパッケージされているのかは投資信託ごとに異なっています。

一方、金融商品はどんなものをどんな風に組み合わせるかによって
リスクが変わり、その結果期待できるリターンが変わるといった性格があり、
投資信託を選ぶにあたっては、実際に中身をのぞいて、
自分の投資スタイルにあったものを選別することが大切です。

今回のブログでは長期投資で資産形成を実現するために
押さえておきたい投資信託選びのチェックポイントを3つ挙げ、解説します。

お役立ていただけましたら幸いです。

1.リスクとリターン
2.コスト
3.純資産残高

1.リスクとリターン

まず押さえておきたいチェックポイントは、リスクとリターンです。

リスクとは、リターンとは

”リスク”とは、平たくいえば価格のブレ幅のこと。
ファンドの価格を基準価額といいますが、基準価額は日々変動するため、あなたが買いたいときにいくらで買えるか、
また売りたいときにいくらで売れるか?はだれにもわかりません。
ただ、その価格のブレ幅の結果、買ったときの価格を上回る可能性もあり、その価格差で儲けを得ることもできます。

このように、価格のブレ幅の結果えられた儲けのことを”リターン”といいます。
リスクとリターンが将来どうなるのかは最終的にだれにも予言できませんが、
投資信託(ファンド)は運用成績が悪ければ、収益が上がりませんし、ファンドの基準価額も上がりません。
その結果、ファンドを買いたいという人が少なくなれば繰り上げ償還といって
途中で運用をやめてしまう可能性もありますから
ファンドを選ぶ前には、それまでの運用実績を確認しておくことはとても大切です。

まずは、目論見書を確認

ファンドのこれまでの運用実績は、「目論見書」で確認できます。

目論見書はファンドを買ってもらうにあたって、あらかじめ販売者から交付しなければいけない書類で
投資判断にあたり必要な基本的な情報が書かれています。

目論見書を確認いただくと、例えばこのような図が掲載されています。

そのファンドの過去5年間のリスクとリターンの平均実績値をあらわしています。

この場合、えんじ色の棒グラフがそのファンドのリスク・リターンを、
青色の棒グラフは資産別の市場平均のリスク・リターンを表わしています。

ファンドのリターンが、市場平均と乖離していませんか?
ファンドのリスクが、市場平均と比較して大きくなっていませんか?

比較する市場平均は、ご自身が検討中のファンドに含まれる資産のものだけで構いません。

なお、ファンドには運用方針によってアクティブファンドとインデックスファンドに区分されますが、
アクティブファンドなら、ファンドのリターンが市場平均を上回っているか、という視点で確認しましょう。

月報も確認

また、「月報」でも確認しましょう。

月報は投資信託の運用会社が毎月任意で発行している運用状況の報告書で、
「マンスリーレポート」や「月次レポート」とも呼ばれています。

月報では、一般的に以下のような表が掲載されています。

目論見書で確認できるのは、5年間を通しての平均値でしたが、
こちらではリターン実績について1カ月、3カ月、6カ月、1年、3年、5年、設定来など、
複数の期間平均を確認することができます。

ファンドのベンチマークや参考指数と比較して、上回っているものは案外多くありません。
一方投資信託はたくさんあり、例えば同じ日本株式に投資するインデックスファンドでも300本程度あります。
複数のファンドを見比べることが大切です。
なお、比較する際は、分配金込みの基準価額や指数になっているか、といった点も押さえておきましょう。

2.コスト

次に確認したいのは、コストです。
投資信託は運用をプロにお任せできる分、コストがかかります。

例えば、以下のようなコストがあります。

・購入時手数料
・信託報酬
・売買委託手数料
・信託財産留保額

ファンドをふるいにかける時、特に確認したいのは
信託報酬や売買委託手数料などのファンドを持っている間にかかる費用です。
これらは運用資産から自動的に差し引かれますから、コストの分運用に回せるお金が減り、
最終的にはご自身が受け取ることができるお金を目減りさせます。

要チェックコストの確認方法

信託報酬は、目論見書で確認できます。
信託報酬の水準は、ファンドの分類によって異なります。
比較サイトを活用したり、販売会社や評価機関に問い合わせたりして、
同じ分類のファンドで比べてみましょう。

また、その他に持っている間にかかる費用として、
例えば監査費用や書類の作成費、海外の信託機関に払う有価証券の保管費用などがあります。
こういった費用も確認しておきましょう。

このところはファンドの低コスト競争が進んでいますが、
進んだ背景にはつみたてNISAや2024年以降のNISAの積立投資枠で
信託報酬の上限がもうけられたことがあります。
例えばインデックス投信の場合、国内資産を対象とするものは0.5%以下、
海外資産を対象とするものは0.75%以下といった具合に明確に決められていますから、
信託報酬を容易に上げられなくなっているのです。

そのような中、信託報酬を下げる一方でその他の費用を計上するファンドも出てきています。

信託報酬は前述のとおり目論見書に記載されていますが、
他の費用はファンドによって計上・記載方法が異なります。
目論見書に書いていないファンドなら、運用報告書をチェックしてみてください。

以下のように、運用報告書で
その他の費用の内訳や総経費率としてその他の費用の負担感を確認できるものもあります。


 

3.純資産残高

最後は純資産残高です。
これはファンドの運用に充てられるファンド購入者からの預かり資産の総額を表しています。
目論見書で純資産残高の推移を確認しましょう。

純資産残高の推移により、資金流出入の傾向も読み取れます。
投資信託は少額でもスケールメリットを生かせる点が強みですが、
預かり資産が少ないとスケールメリットを活かせず思うような運用ができなくなる恐れもあります。

純資産額の目安は30億円以上です。
小さいものは資金の流出に弱く、
資金流出後、繰り上げ償還リスクが高まる可能性もあります。
繰り上げ償還してしまったら、いくらご自身が同じファンドで投資を続けたいと願っても続けられません。

長期投資で資産形成を目指したいなら、しっかりと確認しておきましょう。

 

まとめ

長期投資で資産形成を実現するために
押さえておきたい投資信託選びのチェックポイントを3つ解説しました。

つみたて投資が盛り上がっている今、
つみたて投資であればリスクがないように伝えるメディアなどもありますが、
投資信託は元本保証のない投資商品であり、
ご自身で選別する目は欠かせません。

難しいな、不安だなと思ったらお声かけ下さい。
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