こんにちは。ママがぐっすり眠れる家計の処方箋。家計の総合医の内田英子です。
今年の12月頃から住宅取得時に利用できる「こどもエコすまい支援事業」が始まる見込みです。
「こどもエコすまい支援事業」は、ZEH水準の高い省エネ性能をもつ住宅の取得を促すもので、子育て世帯・若者夫婦世帯を中心に補助金を支給し、住宅取得に伴う負担軽減をはかる制度です。
住宅価格の高騰が続く中、住宅ローン控除とも併用できるため、これからマイホームの取得を検討している方にとっては、負担軽減のためにも上手に活用したいところです。しかし制度利用にあたってはいくつかの注意点もあります。また、昨年末から実施されていた「こどもみらい給付金」と似ていますが違う点もあります。
そこで、今回のブログでは「こどもエコすまい給付金」のあらましと注意点についてこどもみらい給付金と比較しながら家計の総合医の視点で解説します。
「こどもエコすまい支援事業」は、「子育て世帯」・「若者夫婦世帯」を中心に、住宅を取得・リフォームする場合に取得者が給付金を受け取れる制度です。
「子育て世帯」とは、令和4年4月1日時点で18歳未満の子がいる世帯で「若者夫婦世帯」は、夫婦いずれかが令和4年4月1日時点で39歳以下の世帯を指します。つまり、今年の4月1日の時点で18歳未満の子がいるか、もしくは夫婦いずれかが39歳以下であれば、「子育て世帯」「若者夫婦世帯」のいずれかに該当するということですね。
ちなみに、子育て世帯、若者夫婦世帯いずれにあてはまらない場合もリフォームをする場合であれば給付金を受け取れますが金額は下がります。
こどもエコ住まい給付金を利用できる場合、いくらくらいの給付金を受け取れるのでしょうか?補助金額は以下の通りです。
【新築の場合】対象はZEH住宅のみ:100万円/戸【リフォームの場合】世帯の属性や住宅取得の有無、工事内容に応じて:30~60万円/戸※国土交通省「こどもエコすまい支援事業の概要」より抜粋
【新築の場合】対象はZEH住宅のみ:100万円/戸【リフォームの場合】世帯の属性や住宅取得の有無、工事内容に応じて:30~60万円/戸
※国土交通省「こどもエコすまい支援事業の概要」より抜粋
補助金を受け取るために、申請が必要ですが、申請は事業者が行います。原則出た補助金額は全額住宅取得者に還元することと定められていますが、どのような方法で還元されるかは具体的に統一されていません。工事をする場合、どのようなスケジュールでどのようにして受け取れるのか?
まずは事業者に直接確認しましょう。
(制度について詳しくはこちら:こどもエコすまい支援事業の内容)
昨年末からはじまり、今年途中まで利用できていたこども未来給付金とはどのような違いがあるのでしょうか?
取得する住宅の種類にわけて詳しく見ていきましょう。
まずこどもみらい住宅給付金と違うのは、対象となる新築住宅の環境性能要件が厳しくなったということでしょう。
こどもみらい給付金ではZEH住宅となる要件を満たしていない場合でも断熱等級4かつ一次エネルギー消費量等級4を満たしていれば給付金を受け取ることができましたが、こどもエコすまい給付金ではより高い環境性能をもつZEH住宅のみに限定される見込みです。
ちなみに、補助金額上限はこれまで省エネ性能に応じて3つに区分されていましたがこどもエコすまい給付金では100万円まで、に統一されます。
こどもエコすまい給付金で対象となる工事は8つ。こどもみらい給付金と数は同じですが内容は少し変わっています。例えば、こどもみらい給付金では断熱リフォームであればその性能レベルは問われませんでしたが、こどもエコすまい給付金では省エネ基準レベルまたはZEHレベルを満たす断熱リフォームの実施が要件となっています。
これまでにはなかった蓄電池の購入についても64,000円まで補助金が受け取れるようになっています。
また、新たに窓ガラスの防災性を向上するリフォーム工事についても給付の対象となるようです。補助金額は窓ガラスの大きさにもよりますがガラス交換の場合1枚あたり6,000円~15,000円です。外窓交換については1カ所あたり15,000円~37,000円です。
ちなみに、リフォームに伴う補助金額は最近の工事価格の高騰を反映しているのでしょうか。こどもみらい給付金よりも上がっているようです。
こどもエコすまい給付金にはどのようなメリットデメリットがあるのでしょうか。メリットデメリットをそれぞれ3つ挙げ解説します。
1.費用がかさみがちな住宅取得時の負担を抑えられる 2.住宅取得時に手続きが完結する 3.所得を問わず補助金額は同じ
1.費用がかさみがちな住宅取得時の負担を抑えられる
2.住宅取得時に手続きが完結する
3.所得を問わず補助金額は同じ
こどもエコすまい給付金を利用するメリットは、やはり住宅取得時の費用負担を抑えることができるということでしょう。給付金を受け取るための工事内容の要件はありますが、満たしてあればその分割引価格で利用できるということになりますから利用できるのであれば利用した方がいいことは言うまでもありません。
これまでにあったすまい給付金や住宅ローン控除の利用にあたっては後からご自身で受け取りのための手続きをする必要がありますが、こどもエコすまい給付金ではご自身で後から手続きをする必要はありません。前述のとおり、手続きは事業者が行いますから受取のための手続きは基本的に住宅取得時に完結します。
昨年まで実施されていたすまい給付金では、所得に応じて受け取れる補助金額が異なっていましたが、こどもエコすまい給付金では所得による補助金額の違いはありません。補助金額はあくまで実施した工事内容によって決定されます。
1.省エネ性能を満たさない住宅を取得する人は使えない2.すべての事業者が参加しているわけではない3.住宅取得予算が大きくなる
1.省エネ性能を満たさない住宅を取得する人は使えない
2.すべての事業者が参加しているわけではない
3.住宅取得予算が大きくなる
こどもエコ住まい給付金は前述のとおり一定の高い省エネ性能を満たす工事を実施する場合に利用できます。そのため、例えば同じく新築住宅を取得する方であってもZEH住宅ではない住宅を取得する方は利用できません。
こどもエコすまい給付金の手続きは事業者が行うことは前述しました。ところが申請できる事業者となるためには登録が必要なため、住宅関連の工事に携わるすべての事業者で給付金の利用ができるわけではありません。今年の途中まで実施されていたこどもみらい支援事業の際に登録していた事業者であれば、基本的にこどもエコすまい支援事業でも引き続き登録事業者となれるようですが、いずれにしても事業者が登録を終えていなければ利用できません。
利用を希望される場合には契約前にあらかじめ事業者に確認するようにしましょう。
こどもエコすまい給付金を利用するためには高い省エネ性能をもつ住宅工事を実施する必要があります。
新築住宅の場合、ZEH仕様にすれば確かに給付金を受け取ることはできるようになりますが、建築工事費用は大きくなります。それによりトータルの住宅予算が100万円を超える可能性もあることでしょう。
新築住宅であれば固定資産税の優遇措置なども受けることができますがその軽減額も到底上がった予算をカバーしきれるものでもありません
こどもエコすまい給付金について解説しました。
建築コストが上昇している今、新築住宅を建てる場合には、当初の予算を軽くオーバーするも少なからず見受けられます。また、住宅ローン控除の利用条件が省エネ性能を満たす住宅に変更となったことと照らし合わせれば
持続可能なマイホーム取得計画作成にあたっては中古住宅も視野に入れて耐震性だけではなく住宅の環境性能にも配慮した住宅の取得プランを練ることが有効となりそうです。
当オフィスでは、あなたのマイホームの資金計画に中古・新築を問わず家計の総合医として伴走しています。
マイホーム取得にあたって不安を感じたら、ぜひご相談ください。
あなたとご家族が一日も長く健やかに安心して暮らせるよう、
総合的で長期的な視点に基づくファイナンシャルプラニングと心を耕す生活設計で応援しています